喜如嘉の芭蕉布(きじょかのばしょうふ)
喜如嘉の芭蕉布(きじょかのばしょうふ)
先代が大昔に沖縄から一反の素朴な織物を持ちかえってきました。
証紙もレッテルも貼られていないものでした。
それもそのはず、先代の話によると機からおろしたばかりの、そのままを頂いてかえってきたとのことでした。
先代らしいご縁です。
作者との間に、そのままを分けてもらえる間柄がすでに出来ていたことになりますから。
到底まねができません。
今にしてはそれが芭蕉布であることは容易に分かるのですが当時は同時に持ちかえってきた星の砂の方が気になったことをよく覚えています。
先代、いや、若くして旅立った父との数少ない着物に纏わる思い出です。
芭蕉布の作者で重要無形文化財保持者の平良敏子さんにはお会いする度に色々なお話を伺うことが出来ました。
なかでも、いつも必ず仰っていたのは「うぅをうむことが一番大切」ということでした。
「糸作りが一番大切」と言う意味です。
「芭蕉布」・・・それは、とても素敵な夏のお召し物。
出来上がるまでに物語があり、また、お手にされた方の物語が始まる織物でもあります。
琉球の風土を身に纏う、なんともロマンチックな物語の始まりです。
是非、一度ご覧くださいませ。
ご来店、お問い合せを、ゑりを正してお待ち致しております。